僕がこの世に生を受けた瞬間。


午後三時二十三分。


僕は、目眩を覚えて少し目を閉じただけ。


それだけで、こんな惨状が引き起こされてしまうもの?


父さんはコロニーの人々を避難させようとしてる。


母さんは、怪我をした人を介抱してる。


汐姉は、青ざめた顔で僕を見ている。


鈴ちゃんは、背中に大きな傷を負って倒れている。


僕は。


そんな地獄絵図の中心に佇んでる。


赤く染まった氷に映った僕は、


微笑んでいた。