この広い学校の中を、今、
菅野君と二人で歩いている。
ちらちら私たちに視線が向けられる。
恥ずかしいなぁ……。

でも、昇降口を通りすぎると、すぐに誰も居なくなった。

私たちは、本当に二人きりになってしまった。

何か話さなきゃ……。
教室を出て、まだ一言も話していない。

なんて話そう。
背、高いね?
したの名前なんだっけ?
ダメだダメだ。
「英語の週末課題、集められてないよね?」