入学式から2、3日後、私にも
気の合う友達ができた。
名前は「大岩絵美」。
私の2つ隣の席。
私たちは休み時間、ほとんど一緒に過ごすようになった。
人見知りな私でも、絵美にはわりと普通に話せるようになった。
もうすぐ授業が始まるので、私は自分の席に戻って座っていた。
ポロッ。
何かが落ちた音がしたから
下を見ると、手につけるようなバンドが落ちていた。
後ろの子が落としたかな?
そう思って振り返り、
「これ、違う?」
と尋ねてみた。
彼女は不思議そうなに
「え?違うよ?」
とこたえた。
え?じゃあ隣の子かな?
聞いてみたけど「違うよ?」と言われた。周辺はみんな違った。
仕方がない。気づかれないように…
と思って、絵美と目を合わせながら
そーっとバンドを床に戻そうとすると
「あー、ちょっとー、」
と遠くから男子の声がした。
声のするほうを見ると、男子が数人、こっちを見て合図をしている。
え?私?
私が手に持っていたバンドを上にあげて、゛これ?゛と合図すると
゛パス゛の合図を出された。
投げられないから、隣の子に、廻してもらうようお願いをした。
もう一度男子たちのほうを見ると
菅野君が手を挙げて゛ごめん゛と合図してきた。
菅野君が飛ばしたのかぁ。
ちょっと嬉しくなった。