さらに近づいて、お互いのことをさらに知っていく、というのはとても心地よくて、一生離れられないなあと思う。
この体勢のまま高梨を抱きしめて、耳元で囁いた。
「ずっと一緒にいてよ」
耳のよわい高梨はビクンと肩を揺らして、うん、と頷いた。
堪らなくなってキスをしようとすると、、
「ちょ、ここ、図書館…」
真っ赤な顔をして遮ろうとするから、仕方なく首筋に顔をうずめる。
「…んっ…」
甘い声がして、すぐに高梨を引っぺがす。
物足りなさそうな顔をしている高梨に、
「これ以上は、ね、歯止めがきかなくなるから…さ」
今週末、ウチに来た時、にね。
また耳元で囁く。
耳まで真っ赤になって、でもウン、と頷くから。
「はああ…」
大きなため息でごまかして、彼女の大好きな空をみた。
真っ青なそらに、白い雲がひとつ。
「今日の空、高梨みたい。」
高梨は不思議そうな顔をしていたけれど、本棚の影からこちらをずっと見ていた観客は、赤い顔をして、去っていった。