今までに出したことがない位の大きな声に、北条が目を見開く。


「なんなの、さっきからほんとに!ごめんばっかり、わたしまだ、何も言ってない!!確かにコクハクとか、男女交際とか嫌悪感を感じたこともあった!!でも!!わたしは!!」

感情がいつも通り制御できなくて、困る。

「わたしは!わたしは、わたしは…」

それでもなんとかブレーキをかけて、言った。

「わたし、勘違いしてるのかなって思ってた。北条は手料理を振舞わないって噂、流れてたし、わたしに和菓子くれるの、なんでだろうって。もしかしてって。でも事実を知るのが怖くて、ずっと勘違いしたままでいるのもいいな…とか……」

そこまで言ったところで北条の目が見開く。