俺が毎日の様に厨房に立っているのを見かねた姉が、昨日、話しかけてきた。
「あんた、毎晩毎晩なにやってんの」
短パンにTシャツといういかにも部屋着というスタイルで覗き込んできた。
「え、和菓子作ってる」
「そうじゃなくてさ〜あんた、和菓子ばっか作ってんじゃん、前まではケーキとか肉じゃがとかも作ってたのにしかもこんなに頻繁じゃなかったし。」
それに、あたしにくれないし。
ぶぅと拗ねたような顔をする我が姉。
姉はどうやら俺の料理を気に入っているらしく、ねだられて作ったこともしばしばあった。
最近は高梨にあげる和菓子につきっきりだったけど。
「なに、食べたいの?」
「うん」
素直な頷きに、仕方ないか、と思いこたえた。