「…え、ちょっと、どういうこと?」

「ほんと、どういうこと?」

「だから、北条くんが校門のところで女に手作り弁当ぽいもの渡してるのみたんだってば!!」

授業の合間の休み時間、朝の快晴とは打って変わって空に雲が立ち込めつつある。

トイレから教室に向かうところで女子とすれ違った。

ざわざわ

「え、それほんとかよ」

「うん、てか北条くん、高梨さんだけにあげてたわけじゃなかったんだねー…」

ざわざわざわざわ

「ぷ、てかまじヒサーン」

「本当だよまじ高梨調子のんなっつーの!」

ざわざわざわざわざわざわ

放たれた言葉の横を少し前のめりで通り過ぎる。

それになんだ、この変な胸のざわつき。