教室に入ると同時に本鈴がなって急ぎめに席についた。 外をみると分厚い雲が広がっている。 「まだ梅雨かよ」 いい加減にしろよな、と思ってひとりごちていると、隣から視線を感じた。 「なに?」 少し声を抑えてとなりを向いて聞く。 「…いや、あのさ、また…呼び出された??」 北条が申し訳なさそうに見てきた。 「全然。散歩してただけ」 「ごめんな、迷惑かけて」