突然手を引かれ、壁と先パイに挟まれる。


そして、先パイはあたしの顎を持ち上げ、強引に上を向かせる。


「えっ...。」


いつもの...目じゃない。


その瞳から逸らすことが出来ない。


「このこと、誰かに話したりしちゃダメだよ?」


「えっ...?」


いつもの冷たい言い方なんかじゃない。


優しい声。


「俺、表向きは"真面目な優等生の生徒会長"なんだよね。
こっち、バレるわけにいかないの。
だから...誰かにバラしたりしちゃダメだよ?」


いつもと違う甘い声に、狂ってしまいそう。


その瞳に、


その声に、


その手に。


すべてを奪われていく....。