秀矢は抱きしめながらそう言う。


え...?


今、なんて言ったの...?


秀矢...?


あたしのことからかってるの...?


何も言わないでいるあたしを秀矢は強く、それでも優しく抱きしめた。


物心ついたときには、秀矢はいつも一緒にいた。


幼稚園も小学校もずっと一緒だった。


中学の頃は、なんか微妙に変な距離をおいてて。


それでも秀矢は秀矢だった。


俺様で意地悪で。


だけど、本当は優しくて面倒見がいいの。


いつもあたしを笑わせてくれていた。


ずっとそばにいた。


近くにいるのが当たり前だった。


だって、隣に住んでて幼なじみなんだもん。


でも漫画みたいな恋愛パターンなんてないと思ってたのに...。