「お、心ちゃんじゃん♪」
声をかけてきたのは、副会長の泉先輩。
きさくで話しやすい人。
「泉先輩、伶太先パイ、こんにちは。」
「心愛ちゃん、資料の準備しといて?」
伶太先パイがあたしにそう言う。
「はい、わかりました。」
あたしは言われたとおり、資料の準備をした。
真野伶太先パイ。
1つ上の2年。
鍔高の生徒会長。
成績優秀。運動神経バツグン。
"文武両道"という完璧な男。
ただ、性格にちょっと難が...ね。
"冷血男"って青葉は言う。
確かに、ちょっと、いや、かなり冷たい。
笑ったとこも見たことなかったし。
だけど、あるときをキッカケにあたしの先パイの見方は変わった。