「心愛ちゃん。」


座り込むあたしと視線を合わせるように、先パイは腰を落とした。


そして、あたしの目を見て言ったんだ。


あの甘い声で。


あの妖しい笑みで。


「俺には君が必要だよ。
君がいないと俺は本当の姿でいられない。」


と。


先パイのその一言とともに、あたしの中で何かが壊れた。


ずっと保っていた何かが静かに壊れていったんだ。


震えながらも最後の力を振り絞って、あたしは生徒会室を出た。


溢れ出る涙は止まることを知らない。


どうして...。


なんで...。


あたしはただ歩き続けた。


何も考えたくなかった。


歩き続けて辿りついた場所は、やっぱり青空公園だった。


あたしの足は、きっと無意識のうちにここへ向かっていたんだ。