力が入らなくなったあたしは、先パイの胸を叩くことが出来なくなった。


それに気づいたのか、先パイは唇を離した。


「...ハァ、ハァ...。」


それと同時に、あたしはその場に座り込んでしまった。


肩で息をしながら、ただただ涙を流していた。


どうして...?


どうして、こんなことするの...?


何がしたいの...?


あたしのことからかってるの...?


わかんないよ...


教えてよ...先パイ...。


聞きたいことはたくさんあるのに、何一つ聞くことができなくて。


早くこの場から逃げ出したいのに、体に力が入らなくて。


言うことを聞いてくれない。