あたしは先パイと壁に挟まれていた。


いわゆる"壁ドン"ってやつ。


しかも、右手は先パイに掴まれたままだった。


初めて会った時もこんな感じだったよね。


「先...パイ?」


先パイは何も答えない。


「「...。」」


無言が続いた。


「あんま他の男と仲良くしないでくれる?」


やっと口を開いた先パイから出た言葉はこれだった。


「えっ?」


先パイがどうしてこんなことを言うのか、あたしにはさっぱりわからなかった。


「君は俺のものなんだから。
他の男になんか懐いちゃダメだよ?」


先パイはいつもの甘い声で言った。


"俺のもの"って、どういうこと?


わかんないよ...。