「ごちそうさまでしたっ」


「いーえ、腹膨れたか?」


「おかげさまで・・・」


「家、この辺か?」


「はい、すぐそこなので」


「そうか、じゃあ
また明日な」


「はい」


と、ラーメンやさんの前で
お辞儀をしたところで



「優奈・・・?
お前、んなとこで
何してんの?
つーか、その男・・・誰?」



旦那という立場の
大輔が、いい具合に
女性と歩いておりまして・・・


あんたの隣にいる女が
そもそも誰だよ?


と、思いつつも


「この人は高校の先生・・
ちょうど会って・・・・
っていうか・・・
家に入れなかったから」


「何で?」


いや、何で
大輔が不機嫌になってんのか
意味分かんないし。



「鍵かかってんじゃん」


「は?つーか、鍵ねぇの?」


「ないから入れなくて
何十回も電話したんだけど?」


「マジで?」


「マジで」