時計の音しか響かない中、
お母さんが落ち着いた様子で
「こっちのは、優奈の兄で
雄一郎です。
とりあえず、顔合わせでもと・・」
「わざわざ、ありがとうございます」
そう言いながら、
大輔とお兄ちゃんが
一通りの挨拶を済ませると、
少しだけ、沈黙が続き・・・
再び、お母さんが
意を決したような表情を浮かべると、
「あの、持ってきていただけましたでしょうか?」
大輔の方を真剣な表情で見ている。
「あ、はい。
俺の方は、もう記入してあるんで・・」
そう言いながら
封筒から1枚の紙を取り出すと
机の上に広げた。
その紙を、お母さんが手に取り
見つめた後、
私の方に目を向け
「優奈、どうする?
これを書いて、役所に提出すれば
あなたは、森山優奈になるの。
紙一枚だけど、すべてが変わるの。
どうする・・・?」
そう言いながら
反対の言葉も、母親の思いも
何も語らず、
ただ、一人の人間として
私自身に選択をさせるのは
お母さんなりの
子離れなのかもしれない。
お母さんが落ち着いた様子で
「こっちのは、優奈の兄で
雄一郎です。
とりあえず、顔合わせでもと・・」
「わざわざ、ありがとうございます」
そう言いながら、
大輔とお兄ちゃんが
一通りの挨拶を済ませると、
少しだけ、沈黙が続き・・・
再び、お母さんが
意を決したような表情を浮かべると、
「あの、持ってきていただけましたでしょうか?」
大輔の方を真剣な表情で見ている。
「あ、はい。
俺の方は、もう記入してあるんで・・」
そう言いながら
封筒から1枚の紙を取り出すと
机の上に広げた。
その紙を、お母さんが手に取り
見つめた後、
私の方に目を向け
「優奈、どうする?
これを書いて、役所に提出すれば
あなたは、森山優奈になるの。
紙一枚だけど、すべてが変わるの。
どうする・・・?」
そう言いながら
反対の言葉も、母親の思いも
何も語らず、
ただ、一人の人間として
私自身に選択をさせるのは
お母さんなりの
子離れなのかもしれない。