小走りで助手席側に行き
ドアを開けると

部屋と同じ、男の香水の匂いが
車の中にも充満していて



また、鼓動が早くなってきてしまう。


マフラーの音が車内へ響き

話しかける隙もないように思えて

ただ、黙って

窓の外を眺めているけれど・・・


「どこら辺?」


「あ・・・駅でいいです・・」


「駅はマズイだろうが。」


「あ・・・そっか・・・
駅の近くのコンビニで・・・」


「あぁ、分かった」



それだけの会話しかせず、

あっという間に

コンビニへと到着してしまい・・・


そんな時に、タイミング悪く
男の携帯が鳴り


「はい、あぁ、あけみか。
今からか・・
あぁ、じゃあ
あけみの家行けばいいんだな?
はいはい、じゃな」


・・・今から

また他の女と会うんだ・・・。


何だか・・・・


私って、この男にとって

一体何なんだろう・・・。