「よし、まいたな・・・」


息が上がりながら

その場に座り込んだ男を見て

私も、その場に座り込み

呼吸を整える。



「ったく、あんな目立つとこにいりゃ
声掛けられんの当たり前だろうが」



「すいません・・・」


浮かれすぎて
何も考えてなかったなんて
言えるはずもなく

謝るしかない・・・。



「これだから、未成年連れ回すと
面倒なんだよな・・」



う・・・・それを言われると

返す言葉もありません・・・。


「あー・・・どうすっかな。
うかつに動くと
まーた、ややこしくなりそうだし・・」



面倒臭そうに
考え込んでいる。


「あの・・・」


本当は、せっかく会えたのに嫌だけど

こんな迷惑をかけてしまったら

私が帰るのが一番いい方法のような気がして

声を出した。


「仕方ねぇか・・・
俺ん家来るか?」


けれど、私の声を遮るように
男が、ため息混じりに声を出した。


「へ!?」


「どうせ近くだし。
ほら、行くぞ」


「う、うん」