「でも何?」

「なんでもない」

「どうした?何か元気ねぇな?」


誰のせいだと思ってるのよ・・・



「別に・・・」


「もしかして欲求不満か?」


「は?」


この男は一体、何を言い出すんだ・・


「ったく、仕方ねぇな・・・
今から会うか?」


「へ!?」


いや、欲求不満じゃないけど・・・

会いたい・・・。


でも、会うって事は

欲求不満だと認めてる事になるわけで・・



「あー、そっか
そういや、未成年か・・・
なら、無理か」


「え、いや
だ、大丈夫」


とっさに、そんな言葉を返してしまってる自分は、本当

正直者というか、素直というか・・・


「けど、親と住んでんだろ?」


「住んでるけど・・・
門限とかないから・・」


「へぇ・・・今時の高校生は
親も緩いんだな。
まぁ、いいや。
出てこれるんなら
補導されねぇように出てこいよ?」


「あ、うん。」


「じゃあ・・・
駅前でいいか?」


「うん、大丈夫」


「駅前は、警察うろちょろしてっから
目立つとこいるなよ?」


「うん・・・」


夕方の自分がウソのように
うれしくて、単純すぎる自分がバカに思えてしまってるけど・・