車に乗り

外の景色を、ただ眺めている。


「優奈ちゃん?
どっか行きたいとことかある?」


静まる車内が続いたせいか
困った様子で
そう聞いてきた。


行きたい所・・・?


行きたい所なんて・・・

今の私には
1つしかないわけで・・・


「どこでもいいの?」


「いいよ?」


「じゃあ・・・」





「へ!?でも
一時間以上かかるよ?
いいの?」


「いいも何も
私は乗ってるだけなので・・」


「あ、いや
俺は全然いいんだけど
あっち方面は
俺も仕事で数回行っただけだから
道分かるかなぁ。」


そう言いながら
カーナビの設定を始めると


「よしっ、これで大丈夫!」


「ありがとうございます・・・」


「俺も行った事少ないから
おもしろそうだしね。」


そう言いながら
ニコニコしてる様子を見てると

若い男性っていうだけで
不信感とかあった部分が

少しずつ

誤解してたのかもしれないと
思い始めてきた。