「何で?」


「え?あ・・私
お酒苦手だから・・」


「そうなの?」


「うん」


そうだ、最初から
こう言っとけば良かったのに
私ってば・・・


「んじゃー、あと3回して
終わりにしよ」


「さ、3回!?」


「うん、じゃーいくよ。
じゃーんけん、ぽんっ!」


・・・最悪だ。


焦りすぎて、後出ししたのにも関わらず
負けの手を出してしまうなんて

私は、完全にバカだ。


「はい、どうぞー」


差し出された強いお酒を
再び一気に流しいれたけれど・・・


頭がグラグラする。


体が熱い。


「じゃーんけん・・・」


声すら遠くに聞こえる。


まるで、現実じゃないような感覚。


「はい、優奈ちゃんの負けー
どうぞー」


再び、強いお酒を流しいれるけれど
もう、苦さもピリピリする刺激も
何も味がしない。