「まったく、あの子ったら・・・
ひーくん、ごめんね?」


「気にしてないよ」


そんな2人の様子に
私は、


「ごちそうさま・・・」


「もういらないの?」


「うん、出かけてくる」


「そう、いってらっしゃい。」


自分の存在を示すように
口を開いたけれど、

お母さんの意識は
私の方に向いてないのは
明らかで・・・


「優奈ちゃん、気をつけてね」


若い男性が
私に話しかけると
恋敵を見るかのような目で
私を見ている。


「どうも・・・」



何だか、耐えられなかった。


お母さんが

母親じゃなく

女になっている姿は

見たくなかった。


あんな目で


私を見るなんて
思わなかった。