バッグを手にリビングへ降りると


「こんばんわ？優奈ちゃん？だよね」


「はぁ・・どうも・・・・」


私やお兄ちゃんと大差ないくらい若い男性が、
私と目が合うなり
目の前に歩いてくると
手を差し出し握手を求めている。


「優奈ったら
ちゃんと挨拶して。」


そう言うお母さんの言葉の直後
若い男性は


「大村　秀明です。
よろしく？」


再び手を差し出した。


お母さんの方を見ると
明らかに威圧を感じるほどの視線を
私に送っている・・・


「優奈です・・・」


握手しようと手を上げると


「ほらほら、ごはんよ。
座って」


横からお母さんが
割って入るように
若い男性の肩を後から押し
リビングのイスへ座らせた。


何だか・・・・


私と、この男性を
近づけないようにしてるように思えて

けれど、そう考えてしまう自分も嫌で


初めて・・・・


お母さんと囲む食卓が

苦痛に感じた日でもあった。