家に帰ると、珍しく


「おかえり?」


「あ、うん。ただいま」


お母さんが出迎えてくれた。


「仕事終わるの早かったんだね?」


「たまにはね。
ねぇ、優奈」


冷蔵庫を開け
飲み物を取り出す私に
言いづらそうに
背後から話しかけてきた。


「んー?何、どうしたの?」


「お母さん
再婚してもいいかな?」


「っ!?・・な、なに!?」


口に含んでいた飲み物を
思わず噴出してしまった。



「あらあら・・もう
何やってんのよ」


タオルを私に差し出し
呆れている。


「だって・・・」


「優奈は、どう思う?」


「どう思うって・・・
聞かれても、その・・・
お母さんがしたいと思うなら
それはそれで・・まぁ・・・」


「ほんとに?」


そう言うしかないじゃんか・・

お母さんの人生を
私の一言で左右するなんて
そんな事できるはずもないし。