「に、逃げるなんて
そんなそんな
めっそうもありませんよ」


「ふぅん、じゃあ
どうして先に帰ろうとしてるのかしら?
待ち合わせ決めてないんだけど?」


「そ・・そんなの
ほら、電話しようと思って」


「あー、まぁたしかにそうか・・」


ふぅ・・・危ない危ない。



「そうそう、何時に
どこ行けばいい?」


「んー・・・と。
7時くらいに、うち来れる?」


「うん?7時に亜子ん家に行けばいいの?」


「うんうん、じゃ
そゆことで。」


そう言いながら
くるっと反転して
どこかへ行こうとする亜子に


「あれ、まだ帰らないの?」


「ん?まだ、ちょっと用事あるから
先帰っててー」


そう言いながら
うれしそうな笑みだ。


「分かったー
んじゃ夜ね」


「ほいほい、じゃねー」


あえて、用事とやらに
踏み入れて質問はしなかったけど

亜子のあの顔は

大方、そのいい感じになってる男とやらの所に

今夜の計画でも相談に行くんだろう。