駅のベンチに座り
ただ、地面を見つめている
この時間は
まるで異空間にいるような
現実ではないような気分だ。


「何してんの~?」


「・・・・・・」


「そんなシカトしないでさー」


「・・・・・・」


「ねぇ?
おいって!」


そう言いながら
うつむき無視し続ける
私の腕を掴む変な男。


今の私には

変な男に絡まれてる怖さよりも、


ただ、面倒臭くて、放っておいてほしくて

その男の方に顔を向け
大きなため息しか出てこない。


「何?お前ナメてんの?」


あぁ、そうか。

たしかに、無視された上に直視されて大きなため息は

ナメた態度以外に言葉が見つからないか・・・


まぁ、いいや。

なるようになるだろうし。


「何か用?」


「は?お前何?
どんだけ自分がいい女だと思ってるわけ?
ちょっとくらい顔が良くても
お前みてぇなクソ女 そこら辺溢れてんだからな?
いい気になんなよ、ブスが」


そう汚い言葉を並べ
私に吐き捨てるように怒鳴ると
いなくなった。


クソ女だって・・ははは・・・

そこら辺溢れてる・・か。

初対面の変な男でも
痛いとこ突いてくる・・・。