「出戻ってきたというか・・・
休息というか・・・
その、まぁ
いろいろありまして・・」


「なーにが、いろいろありまして
だよ?
大方、男が浮気しました、もう嫌~
なんて、わめきちらかして
出てきたんじゃねぇのか?」


う・・・さすが
血の通う兄よ・・・


そんなズバッと言われてしまうと
否定ができない・・・。


「だいたい
あいつの顔と格好見れば
どれだけ遊んでるか想像つくのに
母さんもお前も騙されて
どんだけ顔に弱い親子だよ?」


「あーら、随分な言い様じゃない?」


少し、目を尖らせたお母さんが
私の隣に座り

お兄ちゃんに反撃する体勢へと入っている。


「案の定、こういう結果じゃんか」


「まったく、雄一郎は分かってないわね。
実家へ帰らせていただきますっていうのは
旦那様が迎えに来るのを待つからこそ
行き先を伝えて帰るのよ?
言わば、気持ちを確かめる一つの作戦でもあるわけ。
分かる?分かんないでしょうね~」


鼻で笑うように
お兄ちゃんに、そう言うと

私の方に体を向け


「まー、なるようになるから
あんたは思ったように行動すれば・・ね」


「あ、うん・・・」


お母さんは、私が帰ってきた理由を何も聞かないままだけど・・・

今の言葉で、お母さんが

私を信じてるって事だけは伝わってきて

少しだけ・・・

自分に自信が持てた気がした。