「まぁ、可愛いけどな」


「・・・・」



また、そんな事を

しれっと言うし・・・


どうリアクションしていいか
分かんないんだってば・・・


うつむき加減で
熱くなった顔を隠すように
歩道を歩きながら

このまま、どこまででも歩いていたいとさえ思ってしまう。


けれど、あっという間に
アパートへと着いてしまい

繋いでいた手は離れてしまった。


そんな事が

私にとっては、寂しく・・・

一気に大輔との距離が遠くなったような気がして

ソファーに座る大輔の隣に

くっつくように座ると、


「お前、昨日から変だぞ?
何かあったのか?」


心配そうに私の顔を覗きこんできた。


「何もないよ?」


「ならいいけど・・・
ガキは甘えたい時に甘えれるってのが特権だかんな?」

そう言うと

私の髪を撫でるように
ぐしゃぐしゃにした。


「え?う、うん?」


それって・・・

私がガキって事?


・・・っていうか、


甘えたい時は甘えてもいいって事?