アパートの扉の前で

思わず

中に入る事に躊躇してしまうほど

臆病な自分もいる。

そんな自分を蹴飛ばすように

ドアに手をかけた。


・・・けれど、


鍵はかかっていて・・・


鍵を開け

中に入ると



「なんだ・・・いないじゃん・・」


考えてみたら、

さっきから3時間近く経ってるのに

大輔がいるはずない・・。


寝室に入ると

ぐちゃぐちゃになった布団が

そのままで


「女だったら、整えて帰ればいいのに」


そう独り言を言いながら

布団を整えてる自分が

みじめで、悔しくて


持っていた布団を

壁に投げつけた。