「脱ぐか…」


兄ちゃんが吐息を吐くくらいの声量で言うのを聞いて、心臓が少し動きを大きくする。


シャワーを浴びているうちに、風呂のお湯はちゃんとはられていた。


俺のブラウスのボタンに手をかけて、ゆっくりと外していく。


ブラウスを脱がされると、お湯の温かさを直に感じて気持ちがいい。


スボンも脱がされて、下着も脱がされた後


俺は風呂のお湯に入れられた。


兄ちゃんも服を脱いで、風呂のお湯の中に入ってきた。


半分ずつ使うとすごく狭く感じる。





兄ちゃん、遠い。


「兄ちゃん、くっつこ?」


「は、えっ?!?!」


すっとんきょな声を出して、兄ちゃんは俺をガン見する。


言いたいことははなんとなくわかる。


俺がこんなこと言うなんて、変。


たぶん、そう思ってる。


いつもなら、あんまり思わないけど…


今日は、我慢できないんだ。


固まったままの兄ちゃんの体に抱きつく。


ビクリと反応した兄ちゃんの体は、俺より少し熱い気がした。


「…李桜、そろそろ頭とか洗うよ?」


くっつけたのはほんの数分。


兄ちゃんは俺の身体を洗って、俺と一緒に風呂から出て、服も着せてくれた。


それでも、どこか遠く感じる。


距離を置かれているような違和感。


ベットに入れられて、掛け布団までかけてもらった。


…けど、それだけで


触れてこようとしてくれなくて…。


俺は離れようとした兄ちゃんの手を掴んだ。


「キスしてよ、にーちゃん…」