冷たい床が気持ちいい…。


けど、頭が痛すぎてヤバイ。


雷…怖い…


暗闇にたった独りで、雷が激しく鳴って


怖くて怖くて仕方ない。


寒くて身体を丸める。


…この感じ…


知ってる。


雨が降って雷が激しく鳴っていた。


…今日みたいな日。


この世でたった独りになったような感覚。


「…にー、ちゃん…」


隣に誰もいない不安感。


…俺、独りになったの…?


涙が流れたとき、部屋に風が思いっきり入ってきた。




「李桜ッ?!?」




次の瞬間、俺の体は温もりに包まれた。


真っ暗でよく見えないけど


「にぃちゃん…」


安心して、涙が止まらなくなって


力が入らない体で、俺は兄ちゃんに必死でしがみついた。


「…李桜、遅くなってごめんな?って、すごい熱じゃん!!何やってんだよ?!」


うるさい…


頭に響いて、俺は顔をしかめた。


「とりあえず、風呂入るぞ」


フワッと体が浮いて、俺の体は風呂場へ向かっていく。


意識が朦朧としてるからかな?


飛んでるみたいだ…。


冷たいタイルの上に足がついて、消えかけていた意識が戻る。


そして、家の中なのに上から冷たい水が降ってきた。


それは少しずつ温かくなって、俺と兄ちゃんの身体を濡らしていった。