「……はい、……これで、終わります。」

教室に荷物を置いてから始業式に行った。

ながいながーいお話は、これで終わり。

「あとは、クラスだけだぁー!」
思いっきりのびをして、なかむーが言う。

自然と4人で教室に向かう。


うずうず


…うずうず



「…ん?どーした?まいまい」

私の様子に気づいたのか、不思議そうに聞く空くん。

「あー。舞ね、せながどこにいるか気になってんの。」


!!

なんで言っちゃうのー!


「え?え?……えー!!」
あからさまなリアクションをとる姿に笑いたくなくても笑ってしまう。

「なに?まいまい、せなのこと好きになっちゃったの?」

「……んー…。」

あいまいな答え。

だってそれしか言えないもん。
恥ずかしすぎて。

それを聞いたなかむーは、1人で顔を真っ赤にしてダッシュで教室に行ってしまった。


なにその走り方。

「もう…こっちが恥ずかしい。」
頭を抱える結子がぽつりとつぶやく。


そういえば、空くんは?


「空くん?」

後ろにいた。

歩きながら話していたはずなんだけど
空くんはずっとそこでフリーズしている。

「空くん?」
空くんのところまで行って
肩を叩いて呼んでみた。

「…ん?」
固まったままの言葉。

それは、いつもの空くんの優しい声じゃなかった。