【優side】



放課後。


高橋君に呼ばれていたアタシは、愛子にそれを伝えてから屋上に来ていた。




「優ちゃん。待った?」


「ううん、アタシも今来たところだよ」



あの頃と変わらない笑顔…


今思えば、高橋君はあの頃からキャプテンらしい一面を見せていた。

衝突していた1年生の部員たちをまとめたり、初めてのマネージャーの仕事に戸惑うアタシを、よくココで励ましてくれた。



「高橋君、全然変わってないね。
さっき話したとき思った」

「そ?」

「あの頃のまま。
…いい意味でね」


彼を見ていると、
自然とあの頃の風景が蘇る。

ずっと怖くて思い出せなかった記憶たちが少しずつ蘇ってくる。