足を止め、来た道を引き返す。




早く…

早く止めないと……!





-----



「…っはぁ、…はぁ……っ」



屋上に戻ると、そこに彼の姿はなかった。




「清水君…?

どうしたの?」


突然息を切らして現れた俺に、坂口さんが目を丸くしている。





「ねぇ、だいじょうっ……」




俺は想いのままに、
心配する彼女を思いっきり抱きしめた。




少しも隙間ができないように。


誰にも取られないように…