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ある日。



「亮〜。次、教室移動でしょ。
一緒に行こぉ」


「おう!
待ってー、準備するから」



教室を出て、廊下を歩いていると
グラウンドに体操服姿の坂口さんを見つけた。



「あ…」


笑顔で誰かと話す姿を見て、
自然と顔が綻ぶ。



だけど、その笑顔を向けている相手を見た瞬間、心境が一転した。


「…………」



「やっぱりそうだよね〜。
…え?亮、どうしたのー?」

「何やってんの、お前」


窓に張り付くように外を眺める俺の姿に、一緒に移動していたみんなが立ち止まる。



「ねー、何見てるの?」


「…アイツ誰なん?」

「え?」


「あの、坂口さんの隣におる男」


なんかめっちゃ仲良さそうやねんけど…