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「今日までの課題を
やってきた人は前に出して。
じゃあ、授業終わり」


その合図と共にみんなが騒ぎ出す。



私は提出物を前に出しに行った。


「お、やってるやってる。
チェックするの楽しみだなー」

宮本先生が意地悪な笑顔を見せる。


「うう」

見抜かれてる…
先生の予想通り空白ばかりだもん。



私が困った顔をしていると、
先生が微笑んで
「大丈夫、大丈夫」と言った。


「心配しなくてもまた教えるから」


「はいっ」



「そのかわり頼みごとしていい?」


「なんですか?」


「みんなが出してくれた課題、職員室の
俺のデスクまで持って行ってくれる?

今から会議があって
職員室に戻れなくてさ」


「はい。
任せてくださいっ」

ピンと伸ばした手をおでこにあてた。