「午前中の競技見てた?
清水君、凄かったね」

「…」

「練習のときはあんなに強くなかったらしいよ」


「アタシ…ずっとここにいたから」



え…


「そうなの…?
凄くカッコよかったのに」


清水君の真剣な顔…見てないんだ。




「私、聞いたよ。
清水君は優のために頑張ってるんだよね。
''坂口さんのために勝つ''って言ってたよ?」


「……」



遠くの方を見つめる優の目からは、
感情を一つも読み取れない。



「ねぇ、優。
清水君とちゃんと向き合おうよ」


「…向き合ってるよ」