「えっと、…
少しでも役に立てたなら嬉しいです」
そう言って笑い返すと、先生の瞳が少し揺れたような気がした。
「ありがとう、松田さん」
先生の大きな手が私の頭を包む。
ポンポンと撫でられた部分が少しずつ熱を帯びていくのがわかった。
優しくて温かくて、
胸の奥がキュッと締め付けられて…
なぜか涙が出そうになる。
「…じゃあ、私は帰ります」
頭を下げて、部屋を出る。
だけど、ドアが閉まる前に先生に呼び止められた。
「松田さん!」
「?」
「俺はいつでも味方だから」
その言葉が、先生の笑顔が
どれだけ私の心を強くするのか…
先生は…知っているのかな。