でも、私にも一つだけ心当たりがある。


清水君への恋に終止符を打ってから、
私は出来るだけ優と清水君が二人きりになれる時間を作ろうとしていた。

お昼、二人が屋上にいるときは
「クラスの友達と食べるから」と言って
優のところに行かなかったり、

朝、清水君と時間が合いそうなときは
忘れ物を理由に先に行ってもらって、
二人が一緒に行けるように仕向けたり…


それをもし、優が'さけられている'と感じ取っていたら、優に距離を置かれても仕方がないのかもしれない。



優…
私のこと、嫌いになっちゃったかな。

私がしていることは優を余計に傷つけてしまっているだけなのかな…




そんなことを考えながら
その場に立ち尽くしていると、


「…あれ?松田さん?」

廊下を歩いていた宮本先生が、私の姿を見つけて立ち止まった。