授業が終わればすぐに坂口さんのところに来て、休み時間はずっと坂口さんの側を離れなかった。
他のクラスだった彼女は、放課後に今日の坂口さんの様子はどうだったかと、担任の俺に毎日聞きにきた。
唯一、彼女の涙を見たのは御葬式のとき。
その日は我を忘れたかのように泣きじゃくっていたが、彼女の涙を見たのはその日だけだった。
坂口さんよりかは、大谷くんといた時間は短かったかもしれない。
だけど、彼女が悲しみを感じていないはずがない。
彼女だって心底辛かったに違いない。
でも、彼女はいつも笑顔だった。
坂口さんがどんなに泣き叫んでも、
命を絶とうとしても、強く抱きしめて「大丈夫」と優しく微笑んでいた。
まるで、大谷くんに頼まれたかのように
ずっと坂口さんの心に寄り添っていた。