ー 彼女たちが1年生だったある日。
忘れもしない、夏の暑さも和らいで肌寒くなった秋の夜。
数時間前まで教室で笑っていた俺のクラスの生徒が、変わり果てた姿で病院のベッドに横たわっていた。
クラスメート、サッカー部の仲間たち、教師たちもみんな、彼の突然の訃報に涙した。
一番仲の良かった二人には、あまりにも辛過ぎる出来事だっただろう。
坂口さんは精神的におかしくなってしまい今でもその現実を受け止め切れていない。
教師である俺でさえ、大事な生徒を失ったショックから、しばらくまともに眠れない状態が続いた。
でも、彼女は違った。
彼女はいつも坂口さんの側に居て、
悲しみに暮れる坂口さんの横で
ずっと笑顔を絶やさなかった。