「…うん。いーの」


「いや、アカンアカン!」


俺は坂口さんの机に自分の机をピッタリとくっつけ、真ん中に教科書を置いた。


「赤点とったらやばいやろ。
一緒に勉強しよ!」

「……」


あれ。変人を見る目で見られてる気がする…



「俺アホやから教えてな、勉強!」


にっこりと笑って見せると、
坂口さんの表情が薄っすらと緩んだ。



「…変な人」





トクンッ…

また胸の奥で
小さな音が鳴った。