ボカッ

バキッ…


鈍い音だけが響く。



は、早く警察呼ばなきゃっ…




そう思っても体が言うことを聞かない。

震える手が動いてくれない。




「…っ……きっっ」

喉に詰まった声を必死に搾り出して
助けを呼ぼうとしたその時、

清水君が男を蹴り飛ばした。


男が倒れたその一瞬の隙を狙って、



「松田さん!!
逃げるでっっっ」



私の手をギュッと掴んで走り出した。