「…今何時?」
アタシが尋ねると、
彼は拍子抜けしたように声を裏返らせた。
「へ?
…い、今は12時半くらいやと思う」
「…そっか。
今、昼休みなんだ」
「うん」
少しの間が開いてから
彼がまた口を開いた。
「なぁ。
名前なんて言うん?」
「…」
「俺、清水亮。
今日ここに転入してきてん」
「…」
道理で見たことない顔だと思った。
「というか何年生?」
「…2年」
「え、一緒やん!
めっちゃ大人っぽいから3年生かと思った」
「…」
「で、名前は?」
「…」
初対面なのによく喋るね。
「なー、名前教えて!
俺教えたやん」