【来瞳 視点】
私は、「ハァ…」と溜め息を吐き、家を飛び出してからずっと考えていた
事務所に申し出た"活動休止"
思っていた通りに反対され、ちゃんと決まってから明希に報告しようと思っていた
でも、それと同時に現れた美雨さん
昔に住んでたアパートがたまたま空き部屋があると知り、そこへ住むと決めた
仕事もしばらく入れていない
家の中にいても付き合った当初の明希との会話を思い出す
"ほんまに俺の事好き?"
「わからない…」
"俺は好きやで!"
「知ってるよ…」
自分から出て行ったはずなのに今も明希の事しか考えられない
"美雨には言った"
「遅いよ…」と私は、呟いた
明希が会いに来た日、"私を探してくれた"と、本当は嬉しかった
でも、もう苦しい思いはしたくない
真実はどうであれ、美雨さんと会い、帰って来なかったのが私には、理解できず、知らない振りをして側で笑っていられなかった…
私は、「本当に…全てを失ってしまった…」とひとりしか居ない部屋でそう呟いた時、新しく買った携帯が鳴った
着信"舞央さん"
舞央さんにだけは、連絡先を教えていた
私が「はい…」と言い電話に出る
舞央さんが「おう!元気か?」と言った
私が「ボチボチかな…」と言うと舞央さんが「家出て行ったんやな…活動休止も会った次の日でビックリしたわ…」と言った
私が舞央さんに向かって「お騒がせしてすみません…」と謝ると舞央さんが「かまへんで!で、いきなりで悪いけど…お前に頼みがあんねん!」と言ってきた
私が「はい…なんでしょう?」と訊くと舞央さんが「知り合いがliveハウスでliveすんねんけど…チケット2枚あって1人で行ってもおもんないから、一緒に行って欲しいねんか!」と言ってきた
「私がですか…?行きたいですけど…」と私が言うと舞央さんが「行きたいけどなんや?バレるのが怖いんか?」と訊いてきて私は、「人混みが苦手で…」と言った
すると「そんな事かいな!心配せんでも、そんな大した事ない奴やし客もそない入らんわ!」と言い電話越しで笑う舞央さん
私が「じゃ、行きます!」と言うと舞央さんが「ほな、夕方迎えに行くし、住所教えて!」と言ったので私は、住所を伝え、電話を切った
電話を切った後、ひとり「liveかぁ…」と呟いた
デビューする前を思い出す
小さいliveハウスだったけど
楽しかったんだ…
そして翌日の夕方…
「待たせてすみません!」と私が謝ると舞央さんから「今着いたしかまへんで!」と連絡があり、外へ出ると舞央さんは待っていた
私が「バイクだ!」と言うと舞央さんが「好きなんか?」と訊いてきた
私が「詳しくないけど…好きですよ!」と答えると舞央さんが「へぇ!これまた意外や(笑)ほな、行こうか!後ろ乗り!」と言い、「お願いします!」と私が言い後ろに乗り、liveハウスへ向かった
舞央さんが「着いたで♪」と言った
私は、懐かしくて思わず「ココ…」と呟いていた
そのliveハウスは、昔、私が歌っていたliveハウスだった
舞央さんがそんな私の言葉に「ココ知ってんの?」と言ったので私は、「はい…デビュー前に初めて歌った場所です…しかも日付も同じの…私の誕生日…」と舞央さんに説明した
すると舞央さんが「マジで!?誕生日なん!?」と言い私が「はい…必然なのか運命なのか…(笑)」と言うと舞央さんが「アイツ…クサスギル…」と私には、聞こえない声で呟いた
余りにも舞央さんの声が小さ過ぎて私は、「ん?何か言いました?」と訊き返したけど舞央さんは、言葉を濁して「いや…あっ、ギリギリやし行こか!」と言い
2人で中へ入る
でも客は誰1人いない…
私が「本当に…いない…(笑)」と言うと舞央さんが「時間、間違えたんかな…?ちょっと訊いてくるし、待ってて!」と言い私は、「わかりました」と言い言われた通り、その場で待っていた
少し不思議に思った
ステージに幕が下ろされていたから…
私は、「ハァ…」と溜め息を吐き、家を飛び出してからずっと考えていた
事務所に申し出た"活動休止"
思っていた通りに反対され、ちゃんと決まってから明希に報告しようと思っていた
でも、それと同時に現れた美雨さん
昔に住んでたアパートがたまたま空き部屋があると知り、そこへ住むと決めた
仕事もしばらく入れていない
家の中にいても付き合った当初の明希との会話を思い出す
"ほんまに俺の事好き?"
「わからない…」
"俺は好きやで!"
「知ってるよ…」
自分から出て行ったはずなのに今も明希の事しか考えられない
"美雨には言った"
「遅いよ…」と私は、呟いた
明希が会いに来た日、"私を探してくれた"と、本当は嬉しかった
でも、もう苦しい思いはしたくない
真実はどうであれ、美雨さんと会い、帰って来なかったのが私には、理解できず、知らない振りをして側で笑っていられなかった…
私は、「本当に…全てを失ってしまった…」とひとりしか居ない部屋でそう呟いた時、新しく買った携帯が鳴った
着信"舞央さん"
舞央さんにだけは、連絡先を教えていた
私が「はい…」と言い電話に出る
舞央さんが「おう!元気か?」と言った
私が「ボチボチかな…」と言うと舞央さんが「家出て行ったんやな…活動休止も会った次の日でビックリしたわ…」と言った
私が舞央さんに向かって「お騒がせしてすみません…」と謝ると舞央さんが「かまへんで!で、いきなりで悪いけど…お前に頼みがあんねん!」と言ってきた
私が「はい…なんでしょう?」と訊くと舞央さんが「知り合いがliveハウスでliveすんねんけど…チケット2枚あって1人で行ってもおもんないから、一緒に行って欲しいねんか!」と言ってきた
「私がですか…?行きたいですけど…」と私が言うと舞央さんが「行きたいけどなんや?バレるのが怖いんか?」と訊いてきて私は、「人混みが苦手で…」と言った
すると「そんな事かいな!心配せんでも、そんな大した事ない奴やし客もそない入らんわ!」と言い電話越しで笑う舞央さん
私が「じゃ、行きます!」と言うと舞央さんが「ほな、夕方迎えに行くし、住所教えて!」と言ったので私は、住所を伝え、電話を切った
電話を切った後、ひとり「liveかぁ…」と呟いた
デビューする前を思い出す
小さいliveハウスだったけど
楽しかったんだ…
そして翌日の夕方…
「待たせてすみません!」と私が謝ると舞央さんから「今着いたしかまへんで!」と連絡があり、外へ出ると舞央さんは待っていた
私が「バイクだ!」と言うと舞央さんが「好きなんか?」と訊いてきた
私が「詳しくないけど…好きですよ!」と答えると舞央さんが「へぇ!これまた意外や(笑)ほな、行こうか!後ろ乗り!」と言い、「お願いします!」と私が言い後ろに乗り、liveハウスへ向かった
舞央さんが「着いたで♪」と言った
私は、懐かしくて思わず「ココ…」と呟いていた
そのliveハウスは、昔、私が歌っていたliveハウスだった
舞央さんがそんな私の言葉に「ココ知ってんの?」と言ったので私は、「はい…デビュー前に初めて歌った場所です…しかも日付も同じの…私の誕生日…」と舞央さんに説明した
すると舞央さんが「マジで!?誕生日なん!?」と言い私が「はい…必然なのか運命なのか…(笑)」と言うと舞央さんが「アイツ…クサスギル…」と私には、聞こえない声で呟いた
余りにも舞央さんの声が小さ過ぎて私は、「ん?何か言いました?」と訊き返したけど舞央さんは、言葉を濁して「いや…あっ、ギリギリやし行こか!」と言い
2人で中へ入る
でも客は誰1人いない…
私が「本当に…いない…(笑)」と言うと舞央さんが「時間、間違えたんかな…?ちょっと訊いてくるし、待ってて!」と言い私は、「わかりました」と言い言われた通り、その場で待っていた
少し不思議に思った
ステージに幕が下ろされていたから…