【明希 視点】

「彼女から?」と美雨が話し出した

「あっ…うん…」と俺は、返事をした

深夜、俺は仕事帰りに美雨に呼び出され、ファミレスに来ていた

今日こそは、ちゃんと美雨に来瞳と付き合ってる事を伝えようと思っていた

きっと美雨の声は、聞こえていただろう…

だから帰って来瞳に説明しようとそう呑気に思っていた

黙っていた事を後悔するとも知らずに…

俺は、「せや、話ってなんや?」と美雨に問い掛ける
すると美雨が「別に何もないよ!」そうニコニコして言う
「はぁ?なんやそれ!せやったら俺帰るで?」と俺が言うと美雨が「まぁまぁ!彼女に怒られるから帰るんでしょ?」と当たり前の事を言ってきた

そんな美雨に俺が「なんでそんな嬉しそうに言うん?」と訊くと美雨が「ねぇ…」と言うから「なんや?」と俺は、イライラして答える

こんな事する女やなかったのに…

と俺が思ってると美雨が「彼女と別れて…私ともう一度付き合ってよ…」と言ってきた

俺は、ビックリして「えっ…なんやねん、そんな冗談…」と言うと美雨が「冗談じゃないよ…私は別れてからもずっと好きだった…」と美雨は言い、真っ直ぐ俺を見た

俺は、美雨に「…ごめん…」とそう言うと美雨が「フッ…そう言うと思った…ハハハ…彼女の事が本気で好きなんだね…」と言い俺は、「ん…」と答えた

すると美雨が「携帯…」と言い俺の携帯を指差した

そして「携帯…ずっと離さないから…私の時とは、比べ物にならない位に明希は、変わったんだね…」と美雨が言った

それから俺が「すまん…」と謝ると美雨が「謝らないで…あっ、この前さ、来瞳ちゃんに会えたよ!」と言い、話題を変えようとしてるのがわかる

俺が「そっか…」と言うと美雨が「ほんとに可愛くていい子だった!私が男だったら来瞳ちゃんと付き合いたいな~!」と言い出した
俺が「ええやろ?」と言うと美雨は、驚いた様に「えっ…?」と言った

そんな美雨に俺は、「俺、男やから来瞳と付き合えるねん…」と言うと美雨が「じゃ…彼女って…」と言ったから「来瞳やで!俺の大事な彼女や!」と俺は、美雨に言った

告白された時、気付いた

やっぱり美雨の事は、もう好きやない…

過去の罪悪感があったから…

美雨に言えんかったんや

「ごめん…俺帰るわ…」そう言って俺は、帰ろうとした

すると美雨が「待って…最後に1つだけ…お願いがある…」と言ってきた

俺が「ん…?」と言うと…
美雨からの願いは、"今日だけ一緒にいて欲しい"というものだった

断り切れなかった俺は、美雨が眠るまで側に居た

でもいつの間にか俺も寝てしまい、気付けば昼前で肩には大きいタオルが掛けられていて、部屋にはもう美雨の姿はなかった

そして、リビングに行くと置き手紙があった

"付き合わせてごめんなさい。明希の事が本当に大好きだった…。忘れられなかったの…。だから彼女の様にもう一度、愛されたかった…。でも、もう昔の明希は、居ない…。だから私も素敵な人と出会う様に前に進むね。本当にありがとう…。-美雨-

「すまんかったな…美雨…」とひとり呟き、そして俺は、部屋を出て来瞳が待つ家へ向かった