恐る恐る、玄関のインターフォンを鳴らす。


――――ピンポ―――ン......


その音と共に、ピアノの音が消え、代わりに足音が聞こえた。


――――パタパタ......


ガチャッ!!


勢いよくドアが開かれ、あたしはビクッと肩を縮めた。


出て来たのは、ピアノを弾いていた、金髪の女の子。


女の子はあたしを見るなり、ものすごい嫌な顔をした。


「......どちら様?」


「あ、あの、このプリントを、綾場菜々緒さんに、渡しに......」


そう言ってプリントを差し出す。


するとその子は、


「......アタシにか」


と言って乱暴に受け取った。


......え!?この子が綾場さん!?