「萩尾くん!!ちょっといい?」


「あ、あぁ......」


萩尾くんの腕を引っ掴んで廊下へと引っ張った。


萩尾くんは戸惑っている様で、眼をパチクリさせた。


「えっと、何?」


「萩尾くん......」


あたしは、思わずニコーッと笑顔になって、萩尾くんの手を握った。


急に手を掴まれた事に萩尾くんは少々面食らった様だった。


「あの、夏見さ......」


萩尾くんが言いかけたのを遮って、あたしは叫んだ。




「あのね、お母さんに、許してもらえたよ!!」