ある日――――......


クラスの女の子数人と話していると、萩尾くんの話になった。


「ねぇね、萩尾ってさ――――......」


「『萩尾』?あぁ、ネクラか」


「いっつもあたし思うんだけど、前髪、めっちゃ長くない?」


確かに萩尾くんは、眼にかかって、視界をほとんど隠していそうな前髪。


「だよね!!てか、あいつの眼鏡、時々曇ってない!?キモッ!!」


......キモくないよ。


萩尾くんは、ホントは優しいんだから。


そんな事言わないで――――......!!


「柑菜もそう思うよね?」


「え......」