「あの日――――......」


その癖になりそうな声の持ち主を見る。


「え......?」


あまりに驚きすぎて、眼が見開かれる。


「キミに出会えたこと――――......」


『その人』の髪が、屋上に吹く風に揺れる。


『その人』がいつもかけてる眼鏡は、はずして傍に置いてあったから最初は分からなかったけど、間違い、ない。




「萩尾くん......?」




あたしがそう呟くと、萩尾くんは、歌うのを止めて慌てた様にこっちを見た。